第8回本公演
第8回本公演
甘くなく苦くなく、
子供でもなく
ましてや大人でもない
高校生の私は事故で足を悪くしてから不安定になってしまった母の世話をしている。父は神様の力がこもっている水をどこからか買ってきて、家族がそれ以外のものを飲むと激しく怒る。弟はそんな両親を疎んで毎晩どこかに出掛けて朝に帰ってくる。 私自身も不安定で友達に訳の分からない苛立ちをぶつけ、大好きな先輩に不安や悲しみを背負ってもらおうとする。こんな私のことを私は嫌いだし、自由に自分を生きている人が妬ましくて堪らない。 でも私はきっと幸せだ。家族は私が居ないとバラバラになってしまう。それはつまり私が必要とされているということで、誰かに必要とされているということは幸せだということだ。どんなに喧嘩をしても一緒に話せる友達がいるし、先輩は私を意味もなく抱きしめてくれるし、父の水を飲むと心が安らかになった気がする。 こんなに幸せの形を持っているのだから私は確かに幸せなはずなのだ。 だから神様も天使も誰もかも、私を不幸と決めつけ慈悲を与えて下さいませんように。 私はこんなにも幸せなのだから。
【News】
12/27 年末アーカイブ配信の販売スタート
12/18 全公演終演しました
12/14 「EASTじゃけん」(FM東広島)にて公演紹介
12/1 不思議少年主宰、大迫旭洋より推薦コメント
11/25 掲載「TJ Hiroshima12月号」
11/25 掲載「文化情報マガジンto you」
11/16 掲載「ステージナタリー」
11/13 メインビジュアル発表
11/12 キャスト決定
10/16 前売りチケット発売
上演時間…103分
アーカイブ配信チケット購入→こちら
(クレジット・PayPay・コンビニ払い)
2000円
12月29日〜31日(3日間限定)
※期間中は何度でもご視聴できます
【推薦コメント】
「甘くもなく苦くもなく、子供でもなくましてや大人でもない」
この作品は、さながら高地トレーニング。
酸素濃度が薄いなかでの呼吸は、体内循環をより感じさせる。
そしてその苦しさが「生きている」実感を呼び起こす。
憎悪も恋も、胸を狭くする意味では同じなのかもしれない。
幸せを確かめるため一つ一つ味わうしかない17歳の物語です。
不思議少年 大迫旭洋
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1988年生まれ、宮崎県出身。熊本の劇団「不思議少年」代表。
想像力で時空間を超越しながら、人間の滑稽さを愛しく描く。
短編演劇コンクール「劇王 天下統一大会2015」全国優勝。
日本演出者協会「若手演出家コンクール2014」優秀賞・観客賞受賞。